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新しい教育とは・・・探究型の学び・習得型の学び・反復型の学びの統一

 みなさんは、これからの世界を担う子どもたちは、これからの時代に必要な知識や考え方や技能、態度、行動の仕方を、権威ある大人から学ぶべきだと考えますか。それとも、子どもたちが自らそれらを創りだしていくべきだと考えますか。
 前者の教育は、日本では長い歴史を持っています。日本の科学者や技術者が世界的な仕事を成し遂げてきましたが、それを支えていた高学力の源が、高度な知識や技能を教師が生徒に教え、生徒がそれらを習得していくという伝統的な教育です。ところが、こういう教育によって育った人々の多くは「解答のある問い」「解答の出せる問い」については大変な強みを発揮しますが、「解答のない問い」「解答の出せない問い」は苦手なのです。また、この教育は、現実の世界とは離れた知識を、多くの場合現実の世界とは接点を持たない教室の中で行うため、子どもたちの態度や行動の発達にも結び付いていきませんでした。
ところが、世界はいよいよ一国では重要な問題を解決できない時代に突入しました。大気汚染・地球温暖化・エネルギー問題・宗教対立・民族紛争・貧困と飢餓等々。そこで、いままでの教育とは違った教育が求められます。こうにして、自分たちで問題を見つけ、それを解決する方法を考え、実際に解決していく「探究型の学び」と、そのために、それぞれの子どもたちが、自分の考え方だけではなく、別の考え方もあることを互いに認め、創意を発揮しあって問題を解決していく「協働型の学び」が実践され始めました。この教育の中から育ってきた子どもたちは、しっかりとした主体性を持ち、態度に於いても行動に於いても素晴らしい成長を遂げています。
しかし、困ったことに、新しい「探究型の学び」は、古い「伝統的な学び」を育てること軽視したために、「探究型の学び」に固執すればするほど高いレベルの学力を育てられなくなるという袋小路に陥ってしまいました。
高い学力と融合しうる「探究型の学び」「協働型の学び」こそ、私たちが目指す学びです。その学びを実現するため、私たちは、「学習指導要領」を積極的に活用する予定です。しかも、単に活用するだけでなく、学習指導要領に基づく教科の学びの中に探究的な学びを活用する予定です。さらには、繰り返し学習を行って完全に知識や技能として身につけられるようにする予定です。
しかし、それだけでは、知識や考え方、技能は、教科ごとにばらばらなものになったままです。ところが、現実の世界は理科の要素も社会科の要素も算数・数学の要素も、さらには、文学の要素も、芸術の要素さえ全て合わさって一つになっています。
そこで、私たちは、国際バカロレア機構初等教育プログラム(PYP)を導入する予定です。そして、PYPの、現実の世界と関わりを持つ「教科の枠を超えた探究の授業」を、教科の授業に取り入れたり、英語活動で行ったり、あるいは、教科の授業の枠外に探究の授業を設けたりして、週六回実践しようと考えています。
「教科の枠を超えた探究」を通して、各教科の学びで獲得した小学生としては高度な知識や考え方や技能を活用して、子どもたちにとって本当に必要な知識や考え方や技能を創りだします。しかも、それを通して、人間としてのあるべき態度や行動の仕方を身につけていくことにもなります。さらに、この探究活動は、教科の領域で獲得したしっかりとした知識や考え方や技能を活用しますので、大変深く高度なものとなりますし、他の問題や領域にも活用の出来る力となります。そして、これらの学力をインターナショナルな志向性を持った人格の形成につなげていくこと。これが、私たちの目指す「まったく新しい教育」です。