心ある人を育てたい


心ある人を育てたい

 


「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」

宮沢賢治のこの言葉に出合ったのは、子どもの頃の小学校の授業でした。

あれから20年ほどたち、今度は私が教壇に立つ番です。

(仮称)開智望小学校開校に向けた準備を進める中で再びこの言葉に

ふと出合ったのです。


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Making the PYP Unit of Inquiry happen
Osaka International School Grade 4 の PYP 探究の単元の実践
International Mindedness and Collaboration
国際的な考え方と コラボレーションより
http://www.senri.ed.jp/site/attachments/172_09NOsakoJ12Modified.pdf

1996 年に採択されたIB (国際バカロレア)の理念はさまざまな文化や意見を尊重することやすべての人を結び
つける共通の基盤になるような人類愛を意識することを強調していたが
2001年の9.11同時多発テロ、2002年10.12バリ島爆弾事件後IBOは理念を改訂し新しい理念を採択した。
(P.Webster 2005)
IBO が目指しているのは 異文化の理解・尊重を通してよりよい
より平和な世界を創造することに自らを役立たせる 探究心があって 聡明で 思いやりのある若者を育てることです。
このために IBO は学校や政府・国際機構と協力して やりがいのある国際教育と
厳格なアセスメントを開発しています
IBプログラムは世界中の生徒がたとえ自分と違いがあっても他の人も
また正しい場合があるのだということが理解できる 活動的で同情心のある生涯学習者になることを
奨励しています。(IBO Mission Statement 2002)

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国際バカロレアの理念は時代とともに変わっていきます。

より平和な世界を創造するためには、探究心があって聡明で思いやりのある若者を育てることです。

9.11以降の世界では、ますます平和な社会を築くために、心ある人が求められています。

 


では、その心をどうやって育めばよいのでしょうか。

 

知識として教えるのでしょうか。

暗記させればいいのでしょうか。

子どもたちは受け身で正解を待っているだけなのでしょうか。

 


私達は開智望小学校で探究の授業を進めようと準備しています。

 

正解のない探究の授業では、意見がぶつかり合います。

そんな意見は違う!ボクはこう思う!感情はエスカレートしていきます。


知識を教える授業では、教師が答えを出せばその場は収まりますが、

探究が進めば進むほど迷走し、分からないことが増え、なんだか気持ち悪い状態が続きます。


たとえば、小学校2年生の国語の授業で、

スイミーは、カラス貝よりもまっくろ。魚のきょうだいたちは赤いのに、スイミーだけまっくろ。


スイミーは自分だけがまっくろだから、さみしかったのだろうか。それとも、みんなとちがってもさみしくなかったのだろうか。

ボクはこう思う。私はこう思う。


それぞれが意見します。


そんな時、大切なのはみんながルールを作ること。

国際バカロレアではエッセンシャルアグリーメントといって、

自分たちで基本的なルールを決めます。

話し合いの時は、Good&Betterで行く。


君の意見はここがいい。でも、ここをこうした方がもっといいよ。


スイミーは、たのしくくらしていたと教科書に書いてあるから、さみしくはなかったと思うよ。

だんだんと根拠をつけて子どもたちは発言するようになります。


いかがでしょうか。

 

子どもたちは、国語などの教科はもちろん、教科の枠を超えた探究活動の中で


真剣に話し合い、ぶつかります。

ここでみんなで決めたルールを守りながら、

優しさや思いやりを身につけていくのではないでしょうか。


7歳のうちはスイミーについて議論しているかもしれません。


しかし、


これから20年後、


彼らが議論するのは、


国のあり方や会社のあり方、そして世界のあり方ではないでしょうか。


弱いものや、他の人と特徴が違う人がいて、


さみしいと思っている時、どう助けるか?


特徴が違っても仲良くする方法はないか?


こうした議論をする時に、きっとGood&Betterで良い答えを導き出すはずです。

 

給食をこぼしたり、忘れ物をしたり、トイレの際に手を洗ってもハンカチで拭かずに
出て行ってしまう子どもたちの後ろ姿を見ながら、


私たち教員は、心ある人に育ってほしい、そう思っているのです。


(仮称)開智望小学校準備室広報担当