●新宿の居酒屋で「Concept based learning」を説明する?

 

 

「お久しぶりです。」

→「おー、お疲れ。久しぶりだね。元気だった?」

(6月の某金曜日。新宿のとある居酒屋で。以前一緒に働いていた上司と再会する機会に。ビールを片手に近況報告から始まったのであった。)

 

「そうですね。クソ忙しいですけど、楽しくやってますよ。」

→「そっか、そっか。なんか新しい学校作っているとか言って、大変そうだね。お前がこの前会った時、言ってたバカロレアだっけ?最近ニュースとかにもなってるじゃん。俺にはよくわかんないけど、公立とは違った教育してるみたいだね。」

 

「そうなんですよ。毎日、英語の本読んだり、授業しながら準備してるんで、わけわかってない感じですね。」

→「その割にはめっちゃ楽しそうじゃん。そういえば、ウチの娘たちも小学校に上がったんだ。この前、運動会があって、パパはりきっちゃったよ。」

 

「双子ちゃんでしたよね。何クラスあるんですか?」

→「2クラスだよ。」

 

「そしたら、先生やりづらいですね。うちの学校でも双子ちゃんがいるとテストのタイミングとか、色々気遣いますし、笑」

→「そうなんだ。1人はベテランで、1人は3年目の可愛い子って感じだけど、少々ヒステリックで困ってるんだ」

 

(お通し、刺身、ほっけ、と食しつつビールがすすみ、次第に議論は核心へ。)

 

 

「やっぱり、授業もつかみが大事なんですよ。上手い先生は、研究授業の前とかに、手拍子とか子どもにやらせて、リズムとかテンポ作って、子どもがリラックスして始まるから、あとずっとスムーズで。」

→「それって本質だな。俺がワークショップやる時とか、会議仕切る時も“つかみ”に命かけるよ。あと、最近読んだ本でも、脳科学者の茂木健一郎が小学校で授業やった時の話がのってて。」

 

「どんな話ですか?」

→「なんだっけな、忘れた、笑。ところで、バカロレアの教育ってどんな特徴があんだよ?」

 

「そうですね。Concept based learningって感じです。」

→「は?まったく分からん。俺にもわかるように説明して!」

 

(この人、いちよう関西の有名大学院まで行ってなかったっけ?と思いつつ、一生懸命説明してみる)

 

「そうですね。まあ、夏休みにやる自由研究を思い出してください。他には社会の調べ学習とか。最近だと、総合的な学習の時間とか。あ、これは”ゆとり教育”の失敗的に言われることが多いですね。もちろんそんなことはないですよ。」

→「うんうん、それでそれで?」

 

「今までの教育だと、ジグソーパズルを思いうかべてください。真っ白な子どものcampusにピースを埋め込んでいくイメージです。教えるのは、factとtopic。」

→「英語わかんねんだよ。」

 

「そうですね。factって事実です。コンサルプロジェクトで毎日fact・fact言ってますよね!794年平安京とか、1549年(いごよくひろまる)キリスト教の伝来とかですよ。その上にtopicがあります。Topicとは、たとえば近代史とか、日本の古代史とかですかね?」

→「それでそれで?」

 

「他の例で説明しますね。

<<「私の家族」(topic)「世帯数」「家族の構成人数」(fact)>>

これについて調べるのが、これまでの総合的な学習なんです。調べ学習とは、Topicに関してFactを集めるんです。でも、バカロレアのConcept based learningってのは、ここからなんですよ。イメージとしてはレゴです。TopicとかFactから、これがレゴのピースです。これで何かしらの概念を積み上げるんです。

<<「家族は物事を成し遂げるために協力する。」(Generalization)「家族」「協力」「類似点/相違点」(Concept)>>

こんな感じです。より抽象化して(Concept)、何かしらのアイディアを獲得する(Generalization)。Generalizationってのは一般化ですね。つまり、他の分野でも応用可能にするということ。」

→「なんか、一気に難しくなったな。でも、これは、働いてりゃあわかるな。何かしらのコンセプトで考えるのは当たり前のことだし、スタバとかは”Third Place”というコンセプトで成り立っているわけだし、スタバはただのコーヒーショップではない。そのコンセプトをもとに全てが設計されている。まさに1つの世界観を形成しているといってもいい。」

 

「さすがですね。なんでこんなことを子どもたちにやるかっていうと、まあ構成主義とか探究型の学習とか色々ありますけど、要は、先が見えない、先が読めない時代には、Concept based learningが「未知」を理解し、読み解き、行動する手がかりになるんです。こうした学習を積み重ねると、概念的に物事が理解できる。システムや構造を理解し、他の分野で応用が可能になるんですね。まあ、Central Ideaとかいう面倒な考え方は今回は無視しますが、たとえばこんな感じです。」

→「お前、酒入ってるのにずいぶん真面目に語るな。面倒だが、今日だけは聞いてやる、笑」

 

「Topicを超えて、Conceptを使って物事を理解する、ってホント説明が難しいですが。

さっきの授業の話。<<つかみが大事>>これもある種のコンセプトです。

恋愛を高校野球でたとえると、県大会が第一印象で、甲子園が性格。これって、要は、県大会で負けたら、終わりって意味ですね。なんかずれましたね。すみません。

授業だけの話じゃないんですよ。つかみが大事ってのは。おいしいお店とか、儲かっている会社は、入口が綺麗とか。とにかく人とのFirst Contactで全体の印象が決まるじゃないですか。たとえば、履歴書の字が綺麗だと何となく全体がよく見えるとか。」

→「相変わらずお前の話はいろいろ飛んでついていくのが、難しいな」

 

「そういわず、もうすぐ終わります。

ざっとまとめるとTopicやFactを身につけたって、そんなのGoogle先生が3秒で教えてくれます。ここからConceptを自分で使いこなして、複雑な世界を読み解き、自分で解を模索していくんですよ。レゴみたいに、子どもたちの頭の中は、真っ白じゃなくて、何かしらパーツがあるんです。そのパーツで意味のあるものを構築していく感じです。しかも、それが他の分野にも応用可能で、かつ時空を超えて適応できるような。

すこし違うかもしれませんが、ことわざとかに近いかもしれませんね。

私は“人間万事塞翁が馬”って大好きなんですが、

これはまさにConceptですよね。

人生は何が幸せで何が不幸かなんてわからないですし、結局、くよくよしないで明日もがんばろうっていう行動にもつながりますし。

バカロレアのGeneralizationってのはCentral Ideaになるんですが、

Space systems affect our daily lives.(宇宙システムは、私たちの日常生活に影響を与える。)

Effective communication usually combines different elements.(効果的なコミュニケーションは通常、さまざまな要素を兼ね備えている。)

まあ、こんな感じです。Topicを超えてますよね。

といっても私もまだまだ理解不足で、Concept based learningのコンセプトを確立するために日々精進ですが。」

→「なんとなくわかったようなわからんような。だが、ジグソーパズルとレゴの例は分かりやすかったな。」

 

「ありがとうございます。」

→「じゃあ、そろそろ湘南新宿ラインの最終だから、帰るとするか?」

 

(こうして、新宿の夜会は解散となったのであった。)

 

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 こんにちは、開智学園の野口です。

 

いかがでしたでしょうか。少しは、Concept based learningについてご理解いただけましたか。

どうしたら、ブログが読みやすくなるのか?考えていて、今回はこの手法にしてみました。

 

 

それでは、また来週お目にかかりたいと存じます。