●せんせいのどくしょかんそうぶん(夏休み編)+子どもを読書好きにする方法

こんにちは、開智望小学校準備室広報担当の野口です。
いつも開智望ブログをご覧いただきありがとうございます。
このブログは、毎回開智望小学校の教育について、紹介しております。


・ちょこっとニュース

LIVING かしわ 
学校法人開智学園理事長 青木徹さん

〜来年春、開校予定の私立小学校で子どもたちに楽しい学びの環境を〜

http://mrs.living.jp/kashiwa/town_news/article/1587325

わが学園理事長のインタビュー記事がありますので、是非ご確認いただければ幸いです。


今日は、夏休みなので、マジメな教育の話はお休みとさせていただき
私が夏休みに読んだ本とその感想を書いてみたいと思います。


先生ってそんな本読むんだ?!
意外とミーハーなんだ!

と思っていただき、気楽に読んでいただければと思います。

是非、こんな本がおすすめだ!是非この本を読んでみて!というモノがございましたら、
コメント欄に書いてもらえるとありがたいですね。



では、まいりましょう。





・よいリーダーシップはよいコミュニケーションからはじまり、よいコミュニケーションは聞くことからはじまると心得るべきである。

by 新将命

開智学園は、小学校でも中学校でも高校でも「国際社会に貢献する心豊かな”創造・発信型”リーダーを育成する。」という理念を掲げています。


上の言葉にあるように、リーダーシップとは、コミュニケーションからはじまり、
聞くことが重要となります。

・他人の自我にたえず耳を貸さねばならぬこと――それこそまさに読書ということなのだ。

byニーチェ

ニーチェが言うように、読書とは、他の人の意見を聞くことに他ならないのです。


私が読書した経験から考えたこと、気づいたこと、どうしたら子どもは本好きになるのか?
今回はご紹介したいと思います。














<<<夏休みに読んだ本と感想文>>>


小説編、実用書編、Best3の発表です。





※備考※
満足度とは、「心がハラハラ、ドキドキした。」
有益度とは、「なんとなく授業や業務で使えそう。」
★★★★★が最高
☆☆☆☆☆が最低






【小説編】



1.ジョーカーゲーム


満足度:★★★★★
有益度:★★☆☆☆


ふと流れていたラジオで「面白そう」と思いBOOKOFFで買ったこの本。
時は、1920年代。陸軍にはスパイがいました。


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内容(「BOOK」データベースより)
結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「死ぬな、殺すな、とらわれるな」。
この戒律を若き精鋭達に叩き込み、軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関”の存在は、当然、猛反発を招いた。
だが、頭脳明晰、実行力でも群を抜く結城は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を上げてゆく…。
吉川英治文学新人賞日本推理作家協会賞に輝く究極のスパイ・ミステリー。
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胸がハラハラ、ドキドキ、頭脳戦と騙し合いは最上級のエンターテイメントでした。



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何かにとらわれて生きることは容易だ。だが、それは自分の目で世界を見る責任を放棄することだ。自分自身であることを放棄することだ。

ジョーカーゲーム』254頁

生き延びるためにはルールを破れ。頭を使え。

『ダブルジョーカー(シリーズ2作目)』154頁
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刺さる名言が多く、また戦争中の日本の状態がよくわかり、歴史の勉強にもなりました。

2015年には映画化されるので映画もぜひ見てみたいですね。


●私の学び
何かにとらわれていると本質は見えない。子どもも本質を見なければならない。





2.海の翼


満足度:★★★★☆
有益度:★★☆☆☆


なぜトルコは親日なのだろうか?その疑問に答えてくれるのが、この本です。
私のボスである副室長から頂いたこの本。

トルコ人はエルトゥールル号事件を忘れません。

どうやって日本人はトルコ人を助けたのか?
どうやってトルコ人は日本人を助けたのか?

歴史に学ぶ生き方の真髄がここにはあります。

ネタバレになるので、ここには書きませんが、歴史好きの人にはおすすめですね。

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内容(「BOOK」データベースより)
エルトゥールル号の恩返しですよ」―イラン・イラク戦争の最中の昭和六十年、フセイン大統領が、四十八時間以後のイラン領空の航空機無差別攻撃を宣告。
日本政府が救援機を出せない中、イランに取り残された二百人以上の日本人救出に動いた国があった…。
そのトルコ政府の英断の裏に秘められた、明治二十三年の「エルトゥールル号遭難事件」とは。百年の時空を超えた日本とトルコの友情を描く感動の歴史長編。
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●私の学び
情けは人のためならず。普段から他の人に心をこめて接していると、いざという時に助けてもらえる。




3.銀翼のイカロス


満足度:★★★☆☆
有益度:★★☆☆☆

半沢直樹シリーズの最新作です。

事前の期待度が高すぎたため、裏切られた形になりました。

個人的には「ロスジェネの逆襲」が92点とすると「銀翼のイカロス」は47点でした。

JALの再建の話を期待していたのですが、
実際は政治家の汚職やドラマ化・映画化を見込んだ演出のオンパレードでした。(辛口すぎ?!)

池井戸潤さんの力をもってすれば、
下町ロケット」や「空飛ぶタイヤ」などの名作も書けるのに、少し残念です。

ちなみに、私の池井戸潤作品ランキングは、

1.ロスジェネの逆襲
2.下町ロケット
3.空飛ぶタイヤ
4.ルーズヴェルト・ゲーム
5.民王

この5つですね。


これを読むのであれば、東野圭吾氏の「マスカレードホテル」の方がいいと思います!

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内容(「BOOK」データベースより)
頭取命令で経営再建中の帝国航空を任された半沢は、500億円もの債権放棄を要求する政府の再生タスクフォースと激突する。シリーズ史上最大の倍返し!
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●私の学び
物事に期待しすぎると裏切られたショックが大きい。他の人が良いというものでも、時には鵜呑みにしないことも必要。



【実用書編】



1.学校と社会

満足度:★★★★☆
有益度:★★★★☆


探究活動の歴史を探る時、避けて通れないのがジョン・デューイです。
彼の「学校と社会」をじっくり夏休みに読んでみることにしました。

教育学部の講義でよく扱われる有名な図解もありますが、
なんといっても、実用書と呼ぶにふさわしい彼の授業方法の紹介が秀逸です。

以下、とても長いですが引用です。

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七歳の子どもたちの作業である。それは、子どもたちがとくに人間および人間と関係のある事物について語ろうとするつよい欲求をもっていることを、
ちょっとおもしろくしめしている。幼い子どもたちを観察するならば、かれらは主として人間との関係において事物の世界に興味をもつこと、つまり、
人間の関心の背景や手段としての事物に興味を持つことがわかるであろう。多くの人類学者は、子どもの有する諸々の興味と原始生活における諸々の
興味とのあいだに或る一致が存在することを、われわれに語っている。子どもの精神は一種の自然な仕方で原始人の類型的な活動への立返るのである。
子どもが好んで庭に造る小屋をみよ。また弓・矢・槍などをもって狩猟ごっこをしているのをみよ。だがふたたびここで問題がおこる。われわれは
このような興味をいかにとりあつかうべきか?―これを無視すべきであるか?それともこれを刺激して引きだしさえすればよいのか?或はまた、われわれは
これをしっかりとつかまえ、前方にある或るもの、もっと大事な或るもののほうへとこれを指導すべきであろうか?この学校の七歳の子どもたちのために
編成されている作業のなかには、この最後の目的をねらっているものがある。―それはすなわち、人類の進歩を理解する一つの手段とするように、この
興味を利用することである。この作業は、子どもたちがまずかれらを囲む現在のいろいろな条件が無くなったものと想像し、ついにかれらが自然と直接に
接触しているものと想像することからはじまる。これによって子どもたちは遠く狩猟時代の人間にかえり、洞窟のなかや木の上に住み、狩猟や漁撈(ぎょろう)
によって不安な生存をいとなむ人間にかえるのである。かれらはそうした生活に適応するさまざまな自然的・物質的条件について、できるかぎり想像をはたらかせる。
山嶽近くの、丘のある、樹の繁った斜面や、魚が豊富に棲んでいる河を想像してみる。それからかれらは想像のなかで狩猟時代から半農耕時代へ、そしてまた
遊牧時代から定着農耕時代へとすすんでいくのである。私が指摘したいと思う点は、ここには実際の研究のための、知識の獲得をもたらす探究のための機会が
かくもゆたかに与えられているということである。


『学校と社会』58-59頁
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●私の学び
古典には、現代に通じる原理がある。
古典とは、時代を超えて読みつかれる人類の共有物です。
古典になるような本は、昔ある一部の特権階級の人しか読めなかった貴重なものたちです。
以前ある社長さんに700円の岩波文庫は700万円の価値があると思って読みなさい、といわれたことがあります。

まさに、1冊の文庫にはそれだけの価値があるのです。

書店には、すぐに役立つ!これだけやれば!という実用書があふれています。もちろん私もそういう本に頼っていた時期がありました。

しかし、すぐに役に立つ本はすぐに役に立たなくなるのです。


もう一つ、私がこの本を読んでいて思ったことは、子どもたちには暇が必要、ということです。


2時間も3時間もぼーっとセミの鳴き声を聞く。
1日中、海の様子を見ている。

だんだん、いろいろな?が出てきて、考えるわけですね。


デューイが言うように、そんな暇な時間にこそ、探究の機会があるような気がしたのでした。






2.ファーブル昆虫記

満足度:★★★★☆
有益度:★★★☆☆


2学期の探究に向けて、ファーブルの昆虫記を読んでみました。

虫の命を知ることは、自分の命を知ることにつながる。

この言葉はまさに、彼の昆虫記の核心です。

ファーブルは、若くして亡くなった愛する息子ジュールに向けて昆虫記を書いています。
昆虫についての彼の洞察、そして、詩的な表現、さらには科学的思考。
すべてが時空を超えても通用する一級品ですので、おすすめですね。

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完訳 ファーブル昆虫記 第1巻 上
内容(「BOOK」データベースより)
聖なる虫、スカラベはなぜ糞を転がすのか?
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参考リンク:http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/35_kontyuuki/


●私の学び(※彼の名言を紹介します!)

「死は終わりではない。さらに高貴な生への入り口である」
注釈:ファーブルの墓石に刻まれている言葉。
「見ることは知ることだ」
「現実は常に公式からはみ出す」



3.【NHK式+心理学】 一分で一生の信頼を勝ち取る法―NHK式7つのルール―

満足度:★★★☆☆
有益度:★★★☆☆

「また、胡散臭い本があるな!」と思わず書店で手を伸ばしてみたのが
この本です。(先ほど申し上げたように、すぐに役に立たなくなりそう!と
思いつつ、売れている本なので、読んでみました。)



一瞬も一生も美しくは、資生堂のキャッチフレーズですが、
本当に一分で一生の信頼を獲得できるのか?と最後まで疑問は拭えませんでした。


しかし、各種受験の面接や就職活動、さらにはビジネスなど、
人生の本番では、One Chanceしか与えられませんし、

この本の内容も少しは自分自身のSkill Upにつながるかもしれません。


この中で印象的だったのは、

茂木健一郎先生の中学生向けの講演の導入の話。
(※以前書いたConcept Based Learningの居酒屋の件でも引用)


茂木健一郎先生は、ある中学校で講演を行いました。
全校生徒を前に、ある男子に

「きみの名前は?」と訊きます。

→「A男です。」

「A男は部活何やっているの?」

→「●●です。」

こんな何気ない会話から始まります。そして・・・

「最近何かのトリセツ(取り扱い説明書)を読んだりした?」と訊きます。

→「ゲームのトリセツを読みました。」


さて、ここで今日のテーマの発表です。

「今日は、脳のトリセツがテーマです。」



なるほど、私の授業でも、こんなことを心がけたいですね。

●私の学び

やっぱり授業はつかみが大切。1対1の対話から全体につなげる。




●大まとめ●
―何かにとらわれていると本質は見えない。子どもも本質を見なければならない。
―情けは人のためならず。普段から他の人に心をこめて接していると、いざという時に助けてもらえる。
―物事に期待しすぎると裏切られたショックが大きい。他の人が良いというものでも、時には鵜呑みにしないことも必要。
―暇な時間にこそ、探究の機会がある
―現実は常に公式からはみ出す
―やっぱり授業はつかみが大切

⇒ここから、セントラルアイディアではありませんが、一言でまとめると・・・


「物事の表層にとらわれず、他人の意見は参考程度で、自分の頭で考えよう!」となるのではないでしょうか。


生き延びるためにはルールを破れ。頭を使え。

『ダブルジョーカー(シリーズ2作目)』154頁

やはり、これですね。




+子どもを読書好きにする方法

私は、大人になってから、読書が大好きになりまして子ども時代に読書をしなかったことをとても後悔しています。

なぜ、子どものとき読書が嫌いだったのか?その理由は、外でサッカーばかりしていて、イスに15分以上座っていられなかったことも
大きいですが、中学校の英語教師だった父親が自分の机の上に本を置いていたことが決め手でした。

読みたくもない本を何度も置かれ、「またか」と思い、その本は意地でも読みませんでした。(お父さまごめんなさい。)


では、子どもを読書好きにするにはどうすればいいのか?2つご紹介したいと思います。



1.一緒にジュンク堂に行く。そして、子どもがどの本を手に取るかじっと観察。

私が大好きな大宮と渋谷のジュンク堂ジュンク堂は本の宝島です。

子どもにぜひ、自由に本を手にとらせてあげてください。児童書である必要はありません。

機械の本でも、英語の本でも、仕事の本でも、何でもいいので、子どもたちは自分が興味あるものを自然と分かっています。

そして、3冊好きな本を選ばせて、1冊だけ買ってあげてください。

そして、1冊をきちんと読めたら2冊目を買ってあげてください。そして本を読んだらあらすじを話させてあげてください。


2.マンガ、映画、ドラマ化などされた本の原作小説を読んで「ズレ」を楽しむ。

アナと雪の女王でもいいですし、最近はクロスメディア戦略で

小説⇒映画化などが多いですね。

そこで、想像力を働かせ、「映画では松たか子さんの声だったけど、私はもっと違う声だと思った」などと感想を言わせてください。

これをすれば、物事は多様な解釈があり、その違いを楽しむことが面白い!となります。











最後に、



あなたは、この夏どんな本を読みましたか。

バカロレアでは生涯学習者といわれますが、その基本が読書ですね。
読書は、心の栄養になり、頭の教養となるので、一石二鳥です。


ぜひ、読書の秋にふさわしい本を教えてください!

それでは、また来週お目にかかりたいと思います。


今回は、本当に長くなってしまいまして、申し訳ありませんでした。