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Caring×異学年齢道徳:うごかないでいいから・・・

授業風景



こんにちは、開智望小学校準備室広報担当の野口です。
いつも開智望ブログをご覧いただきありがとうございます。
このブログでは、毎回開智望小学校の教育について紹介しております。





バカロレア初等教育プログラム(PYP)より

学習者像:Caring

他の人たちが必要としていること、感じていることに対して思いやり、
共感、そして尊重する気持ちを示します。他の人たちの生活と環境に良い影響を及ぼすために奉仕し、行動することを自分の責任とします。

※出典:帝塚山学院教職員Making the PYP 翻訳
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うごかないでいいから、ちょっとだけわらう
(→思いやりを自分の言葉にすると・・・に対する小学校1年生の回答)

えがおにして、ダンスをやる
(→思いやりを行動で表すとしたら・・・に対する小学校1年生の回答)


開智学園総合部では金曜日の5時間目にTeam道徳の時間があります。

今回のテーマは「思いやり」

1〜4年生の異学年齢道徳の授業を私が担当したので、今回はその内容について書きたいと思います。

開智望小学校でも、総合部と同様平成28年度から異学年齢学級を導入します。

異学年齢学級は理事長の想いが強く反映されている仕組みです。

かつて、日本には地域社会があり、ガキ大将を中心に子どもたちは社会の仕組みを自然と学んでいました。
さらに、その周辺には暖かく見守る大人たちの姿がありました。

地域社会から、都市型の社会に移行した昨今、
子どもたちは縦の関係を学べる機会が十分とはいえません。

開智学園総合部では、1年生から4年生までが10名程度で朝の会から、給食、Team道徳・Team体育、さらには、遠足や運動会、学習発表会(開智発表会)も一緒に行うため、縦の関係が学べるのです。

その中で必要な社会性やリーダーシップを身につけていきます。


アナグマさんはごきげんななめ

前置きが長くなってしまいましたが、今回のテーマは思いやり。

どんな題材を扱えばいいのだろうか。考えていました。


「先生ってなにする人?」という本にもある通り、
先生とは、子どもにとってふさわしい問題・課題を子どもたちに提示する役割があります。
子どもの先行知識や先行体験を踏まえて、どうしたら気づいてもらえるのだろうか。

難しすぎても、簡単すぎても、なかなか考えてもらうことはできません。
と、考えているうちに時計を見ると20時過ぎ。そこで、ジュンク堂書店に電話して、
「こういう授業をやりたいのですが、いい本はありませんか?」と訊いてみました。


その後、急いでジュンク堂書店に直行。


児童書コーナーの店員さんが10冊くらい本を用意してくれました。



その中で選んだのが「アナグマさんは ごきげんななめ」です。




アナグマさんは なぜごきげんななめだったのだろうか?




森の動物たちの中で人望が厚いアナグマさん。


しかし、ある時、そんなアナグマさんが ごきげんななめで、ふさぎこんでいます。





動物たちは、なぜアナグマさんはごきげんななめなのか?を考えて、

つりにいって、魚をとってきたり、
バズルで楽しませたり、
医者を呼んだり、

色々とします。


それでも、アナグマさんは ふさぎこんでいます。


→ここまで絵本を読み聞かせした後、なぜアナグマさんは ごきげんななめだったのか
子どもたちに考えてもらいました。



「もしかしたら、恋人にふられたのかもしれない」
「つかれた、ねむい、お腹がすいたから」
「だれかにバカにされた」
「親友が行方不明になった」

たくさんの意見が出てきました。


・あなたなら、ふきげんなアナグマさんに なにをしますか?


アナグマさんがふきげんな理由はわからないけれど、

なにかしてあげられることはないか、子どもたちに考えてもらいました。


3つアイディアを書いてもらい、1番いいと思うものに★印をつけてもらいました。



・思いやりで大切なのは、相手の立場に立って色々と考えること?


「ケーキを買う」
「一人にしてあげる」
「お手紙を書く」


ある2年生の女の子はこれらの3つを考えていました。

その中で「ケーキを買う」を選びました。


しかし、4年生はすかさず・・・・

アナグマさんがケーキを好きかわからないから、お手紙の方がいいと思う」


「お手紙だけじゃなくて、サプライズでプレゼントもつけたら?」


他にもたくさんの意見が出ました。



4年生の意見を聞いて、1年生も真剣に考えます。



・異学年齢学級の議論

1年生同士、2年生同士でも、もちろん議論を重ね、どんどんと思考することは可能でしょう。しかし、4年生や3年生の意見で1年生は「なるほど」と思うのです。


さて、2年生の探究の時間でも「論証」をかなり意識しています。
論証とは、仮説に対して、なぜそういう仮説になるのか?を自分の言葉でなるべく論理的に説明するプロセスです。
北村副室長は、このプロセスの重要性をいつも強調していますが、論証力の差が1年生と4年生にはあります。
同じ意見でも、4年生の論証を聞いて、1・2年生はさらに考えることができるのですね。



・まとめを見ると すっごい1・2年生


ところで、1・2年生の意見はレベルが低いのでしょうか。


冒頭で紹介した1年生の子の意見は グっとくるものがあります。



どうしたの?と聞いたりする。
(→思いやりを行動で表すとしたら・・・に対する小学校1年生の回答)


大丈夫だよ!と言ったりする。
(→思いやりを行動で表すとしたら・・・に対する小学校2年生の回答)


小さな体の脳みそを懸命に使って考えた言葉には、こちらが教えられた気分になりますね。


アナグマさんに対してモグラくんが感謝のパーティをしてめでたしめでたしという
部分を最後に読んで、授業は終わりました。


最後に:

私の中では、たくさんの子どもたちの意見が出て、ふりかえりのワークシートも1年生が頑張って書いてくれたので
なかなか良い授業ができたのでは?と思っていました。


しかし、先輩の先生が一言


「先生、もっと読み聞かせは練習しないとね」





まだまだ教師としては未熟な私でした。。。


他にもたくさんの課題があるので、
学びのコミュニティである教員集団でさらに研鑽を続けていきたいと思った10月10日でした。



最後までご覧いただきありがとうございました。


野口