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●教育をすると問題児になる?!

教育観



こんにちは、開智望小学校準備室広報担当の野口です。
いつも開智望ブログをご覧いただきありがとうございます。
このブログでは、毎回開智望小学校の教育について紹介しております。


まずは、少し長文ですが、とあるエッセイの引用です。


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今日はね、私の娘の小学校の「公開授業参観日」だったんだ。
うちの地域の学校は「公開授業参観」というのがあって、その間は何回でも
好きなときに学校に行って自由に子供たちの授業風景を見ていいことになっているんだ。
小学校一年生の授業、一穂は覚えている?
私はね、まず自分の娘がずーっとエンピツの先で指を突っついているのにイライラした。
「おいおい、何やってんだよ」って感じ。娘は私が来ていることに気がついていない。
だからふだんからあんな調子なんだろうね。先生の話を聞いているのかいないのか、
とにかく指遊びをしている。
教室は国語の授業の最中だった。テーマは「正しく文章を書く」・・・らしい。
話し言葉をカギカッコの中に入れるとか、他人から聞いた話は「〜だそうだ」と
表現するとか、そういうことが授業の中心だった。

娘は、ずーっとつまらなそうに指遊びをしていた。先生が質問しても
手を上げるわけでもなく、ただもう時間が過ぎるのを待っているという感じだった。
「ハイ!ハイ!」って、競い合って手を上げて発表する子たちもいるのだけれど、
娘はしなかった。
「はい、みんな手をお膝に乗せて」
と、先生が言うと、しょうがなく手を膝に乗せぼんやりしている。
時おり肩をすくめたり、鼻をほじったり。

興味を引くものがなんにもない・・・・ってことを身体で表現しているみたいに見えた。
私は、二時間ほど、授業を参観した。(中略)

最初は娘の態度にイライラしていたんだけれど、二時間が経過するころには、
私の方がしんどくなってきた。

朝からずっと、この狭い教室の小さな椅子に座り、机に向かって言われた通りのことをしている娘が、
なんだか気の毒になってきた。もし、私が娘の立場だったら、たしかにずっと座っているのは疲れるし、
うんざりだなあ・・・・と素直に思ってしまったから。

先生はとても一生懸命に授業をしてくれていた。
娘の担任の先生は、注意はするけれどヒステリックに声を荒げたりはしない。
怒鳴ることもしない。だけど、びしっと叱っていた。

態度の悪いのは男の子たちで、その中でも注意される顔ぶれはほぼ決まっていた。
みんなじっとしていられない。つい反抗的な口をきく。
あるいはウケを狙ってヘンなことをする。

そのうちの何人かは娘とは保育園からいっしょだった子たちで、私とも顔見知りだった。

保育園のころ、彼らはみんなめちゃくちゃユニークで面白い子たちだった。

保育園は教育しないからね。保育するだけ。生活習慣を叩き込んだら、後は遊んでいるだけ。
毎日毎日、お絵かきをしたり、ゲームをしたり、歌ったり、踊ったりしながら遊んでいるだけ。

保育園の仲間は今でも仲良しで、学校が分かれてしまった子でも時々遊びにくる。
あの当時、伸び伸びと元気だった男の子が、まるで別人みたいな問題児になって
ショックを受けた。(中略)

娘のクラスには四十人近い子どもたちがいて、この数は、ちょっと多すぎるな、
とも思ったよ。

人数が多くなれば多くなるほど、先生は「管理」しなければならなくなる。
それは先生の責任じゃない。大勢に目配りするためには、
みんなにおとなしくしてもらわなければならないのだから。

田口ランディ『鳥はみずからの力だけでは飛べない』197頁〜200頁より
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今、巷ではこんなニュースが話題になっています。

40人学級:復活に文科省、保護者ら異論 署名呼び掛けも

⇒⇒
http://sp.mainichi.jp/select/news/20141101k0000e040184000c.html

財務省文科省で意見が真っ二つですね。

私は、開智学園でふだんから24名程度の少人数クラスで授業を行っています。
またホームルームクラスでは40名程度に対して教員2名体制です。

ここに私立小学校のシステム上の強みがあるのではないでしょうか。

田口ランディさんが、お子さんの授業参観から感じたように、

人数が増えれば増えるほど、教員の優先順位一位が

「子供たちを管理すること」になります。

なぜでしょうか?

それは、「あの先生のクラスはいつもうるさい。あの先生は授業をする力がないのではないか?」

と周りから言われてしまうからです。

たしかに、優秀な先生は40名クラスでも優れた授業を展開し、

子どもたちを智の深く・広い世界に誘えるでしょう。

しかし、たいていの教員にとって人数は決定的に重要だと思います。


また、管理できていれば教師としても仕事を果たしているといえるのでしょうか。

再三このブログでも訴えているように、
また説明会で理事長、副室長、そして私がお伝えしているように、


これからの世界で生きていくには、

未知な状況に対して、仲間と力を合わせて既知を組み合わせて解決していく力が必須となります。


そのために、構成主義型の協働学習を中心とした概念的思考やスキル・態度を重視する
教育が必要になるのです。

そのためには少人数の授業クラスで、子どもたちをきめ細かく見守り、適切な支援をすることが必須となります。


子どもたちはどんなことを知っているのか。
子どもたちはどんなことを知りたいと思っているのか。
そして、

子どもたちはどんなことを理解したのか。


形成的評価を通して、子どもの成長プロセスをつぶさに観察する必要があるのです。


よって、開智望小学校でも行う24名少人数クラスは、とても重要なのではないかと考えて、
上記のエッセイを引用しました。


しかし、です。


・少人数クラスに問題点はないのでしょうか。

習熟度別授業、少人数学級は 本当に学力を高めるか

⇒⇒

http://www2.osipp.osaka-u.ac.jp/~yamauchi/gakubu_hp/2012/paper/3.pdf


以下、上記の資料からの抜粋です。


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・授業の進行や児童生徒の人間関係についての問題
⇒多様な考えが出にくい
⇒人間関係が固定化する
⇒友人関係や序列が固まりやすい


・教員手配の問題
⇒コストの問題
⇒どうやって質を担保するのか

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たしかに、少人数クラスでは、人間関係が固定化されてしまいそうですね。

地方の全校児童100名以下の学校では、ずっとクラス替えがないため、
序列の下に位置してしまうと、かなり厳しいという状況は容易に想像できます。


また、教員の手配も死活問題ですね。

単に教員を増やしても、各クラスのばらつきをどう解消し、どうやって質を担保するのか?
という問題が残ります。



・開智望小学校のアプローチ

少人数学級の問題点に対して、開智望小学校では、以下のように対処します。


・授業の進行や児童生徒の人間関係の問題

★教員同士は共同的に授業を設計するため、各クラスの進行が異なるということはありません。
※もちろん各授業の具体的な進め方は各教員が工夫を凝らすため異なります。

★人間関係はUnitという授業クラス(同学年)とTeamというホームルームクラス(異学年齢混在)により、
固定化することはありません。縦の関係が存在するため困っている低学年の問題を年長者が解決することになります。

・教員手配の問題

★質を担保するために、それぞれが日ごろの研鑽を行うことはもちろん
バカロレアでは教員研修の機会が義務付けられています。

これにより、第三者の視点で自らの授業を振り返り、全世界3000校以上のバカロレア校と知識を共有します。



教育をすると問題児になる?!

タイトルで刺激的な言い方をしましたが、ここまで読んでいただいたあなたは、この問いかけに対して

どう思われますか。


私は、小学校に入ったお子さんが問題児扱いされるなんて親として耐えられないと思います。

少しじっとしていられなくたって、すべての子ども達はGiftであることに違いありません。


私が行っている探究型の授業では、国語や算数で輝けない子どもたちが、

「あっと驚くような発言、動き」をすることがたくさんあります。


しかし、それも24名以下の少人数クラスが成せる技なのかもしれません。


子どもたちの個性を殺さないためにも、

そして、教員たちが管理を第一優先事項にしないためにも、


少人数クラスは必須なのではないでしょうか。


・最後に、


本日お伝えした内容に少しでも興味があるようでしたら、

開智望小学校の説明会にぜひ足を運んでいただければと思います。

「どうやってバカロレアと学習指導要領を共存するのですか?」
「開智望中学校 高校はできるのですか?」
「PYPを実施する教員はどんな人なのですか?」

「私立の小学校なんて、学費が高いと思われますが、実はそんなことないのです」


これらの疑問にお答えしたいと思っています。


最後までお読みいただきありがとうございました。