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●何回言われても理解しづらい「Concept Based Learning(概念的思考)」って何なの?







こんにちは、開智望小学校準備室広報担当の野口です。
いつも開智望ブログをご覧いただきありがとうございます。
このブログでは、毎回開智望小学校の教育について紹介しております。

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今回のkey words:図工、ブリコラージュ(プリコラージュ) 、コンセプツ
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◆子どもたちが1番好きな教科は?

開智学園総合部では、新しいパンフレットを作成するために、
子どもたちがキャッチフレーズを考えています。

心を落ち着かせることができる朝の読書

1つの家族のようなTeam

など

子どもたちの言葉で開智学園総合部の良さを伝えようとしている姿に
ぐっときました。

その中で自分が好きな教科を選んで

●●な教科と書く欄もありましたが、どんな教科が多かったと思いますか。

自分の小学校時代を振り返ってもそうでしたが、
そこに国語や算数が並ぶことはなかなかないですね。


体育や図工が圧倒的な人気でした。


体育や図工は自分たちが身体を動かしたり何かを作ったり、主体的な活動が多く、
熱中できるからかな、と思いますね。


そういえば、11月26日は大縄大会があり、40名の異学年齢Teamで大縄に取り組みました。
その前1ヶ月間は朝の会が始まる前や体育の時間に大縄をずっと練習してきましたが、

なかなか練習にこない子もいます。彼らが一生懸命取り組んでいたのは、
ダンボールやトイレットペーパーの芯をつかった工作です。

ハサミやノリ、セロテープをつかって、
申し訳ないですが大人から見たら作品には到底見えないようなシロモノを
せっせと作っているのです。


こんな彼らの様子を見ていたら、以前学んだこんな言葉を思い出しました。



◆ブリコラージュ(プリコラージュ)

この言葉をご存知の方はいますか?

私はなかなかこの言葉を思い出せなかったのですが、
この言葉は概念的思考を理解する上で大変重要なものだと
個人的に考えています。

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ブリコラージュは、理論や設計図に基づいて物を作る「エンジニアリング」とは対照的なもので、その場で手に入るものを寄せ集め、
それらを部品として何が作れるか試行錯誤しながら、最終的に新しい物を作ることである。

ブリコラージュはもともとは「修繕」とか「寄せ集め」とか「細工もの」といった意味であるが、
フランスではそのブリコラージュをする職人のことをブリコルールといって、あらかじめ全体の設計図がないのに(あるいは仮にあったとしても)、
その計画が変容していったとき、きっと何かの役に立つとおもって集めておいた断片を、
その計画の変容のときどきの目的に応じて組みこんでいける職人のことをさしている。


参照:http://naokiyamamo.to/?p=23537

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その他にも、


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「プリコラージュ」
●構造をマネる。
・他の分野から方法を借用することを「プリコラージュ」という。=「構造の借用」
・単なるマネではなく、「構造」や「方法」を借用することが効率的な手段である。
・全く関係ない分野(ヤマト運輸宅配は吉野屋の構造を借用)から、構造だけを持ってきて当てはめる。

参照:http://www.yomugakachi.com/article/75112201.html
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ブリコラージュ(プリコラージュ)とは、


要は、きっと何かに役立つと思って集めていたもので、目的を達成することです。


もしかしたら、子どもたちは自分で気づいていないとは思いますが、

将来役に立つような何かを工作をしながら育んでいるのではないか?

こんなことを考えていたら、大縄いこうよ!と強く誘えなくなりました(笑)。



大人になって働く時は、

やったことがないことをやらなくてはなりません。

その時頼りになるのは、


<<きっと何かに役立つと思って集めていたもの>>です。

それは、教養なのか、知識なのか、知恵なのかわかりません。


しかし、これの量と質でその状況を切り抜けるかどうかが決まります。


この<<きっと何かに役立つと思って集めていたもの>>が

応用可能なコンセプツなのではないか、と私は思ったのです。


もう少し、ブリコラージュ(プリコラージュ)ということに関して説明したいと思います。


小倉昌男『経営はロマンだ!』110〜112頁

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 やっと見えてきた方向性



理想的な運送会社像とはどのようなものか、自問してみた。答えは「全国どこへでも、どんな量の荷物でも運べる会社。」
その時なぜか、以前に読んだ牛丼の吉野家の新聞記事が頭に浮かんできた。メニューを牛丼に絞り込んだら、利益が増えたという話だった。
普通に考えれば、品数を減らせば客も減る。だが、吉野家は大胆な絞り込みによって特色を出し、逆に客を増やしたのである。
そうだ。この際、理想的な運送会社を目指すのはやめて、取り扱う荷物を絞り込んだらどうか。これが、宅配便というコンセプトの最初のヒントになった。
では、大和運輸にとっての”牛丼”は何だろうか。

身近な経験が第二のヒントをくれた。ある時、息子の洋服のお古を、千葉に住んでいた弟の息子に送ってあげようと思った。
ところが、運輸業の社長である自分に、送る手段がない。当時の運送会社はもっぱら企業を顧客としており、
家庭から出る細々とした荷物など相手にしていなかったからだ。
家庭の主婦は日ごろ不便な思いをしているに違いない。国鉄小荷物と郵便小包はあったが、どちらも親方日の丸である。
「荷札をつけろ」とか「ひもでしっかり荷造りしろ」といった面倒な指示が多いうえ、日数もかかるので、
主婦は敬遠していた。役所にはハングリー精神やサービス業のセンスがない。「運んでやる」という態度だから、官業が独占している家庭市場は狙い目だ。
戦前の「大和便」への郷愁もわいてきた。(中略)

第三のヒントは、日本航空が売りだした「ジャルパック」だった。大和運輸は販売代理店になっており、
私も海外の研修会に参加して大いに興味を持った。
航空券、ホテルの予約、市内観光、添乗員など海外旅行に必要なものを全部パッケージにすることで、
ローマ字でサインできないおばあさんでも安心してハワイに行けるようになった。日航から見れば「旅行の商品化」によって、
新たな顧客を獲得したのである。それまで「旅」というものは個人的なものであり、商品として販売することなどできないと思われていた。


これを自分の構想に当てはめるとどうなるか。家庭から家庭へと荷物を運ぶサービスをうまく商品化すれば、主婦に買ってもらえるはずだ。
それまで運送会社と言えば、荒くれ男のイメージが強く、主婦は業界から最も縁遠い存在だったが、実は大いなる潜在顧客だと気づいた。

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いかがでしょうか。


伝説の経営者という呼び声高い

クロネコヤマトの小倉社長も

ブリコラージュ(プリコラージュ)により、宅配便というものを考えつきました。


「なるほど、これは他のところでもいえるのではないか?」
「これと同じ構造をどこかで見たことがないか?」

たくさん量をこなしていると、見えてくる構造がありますね。


他にも身近な例では、

私は名探偵コナンの映画が大好きで全部(15作品くらい)見ていますが、
構造は全く一緒です。

・序盤
→問題解決の決定打になる伏線が2つ出てくる
→スケボーで小学校1年生には到底思えないアクション

・中盤
→90分経過までに必ず犯人を特定する

・終盤
→蘭がピンチに陥り、コナン(工藤新一)が「蘭!蘭!」と叫びながら
助ける。
→必ず序盤で見せておいた伏線2つで全てを解決する。


この構造を繰り返しています。


こうしたパターンや構造の
より高度なもの、汎用性が高いものが、


国際バカロレアのコンセプツなのではないでしょうか。


バカロレアのコンセプツ

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概念的な理解力・・・次の八つの概念を通したものの見方・考え方の習熟と発達
form     形体
function   機能
causation  因果関係
change   変化
connection  関係
perspective  見方・観点
responsibility 責任
reflection.   反省・振り返り・メタ認知・相関的なもの同士の内的関係

参照:Making The PYP Happen 翻訳(KKitamura)
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バカロレアのコンセプツとは以上の8つです。


子どもたちは、学校教育において、

将来役に立つから!とたくさんのものを注入されます。

その中で、8つのコンセプツは本当に役に立ちます。

小倉昌男社長も潜在的に、

「Form」「Function」「Reflection」などをつかって、

宅配便を思いついています。


これを意識的に探究ユニットに入れて、概念というものをつかって
子どもたちには概念的思考を身につけてほしいのです。

どうやってコンセプツをつかって探究を進めているのか気になるという方は
是非12月の説明会に足をお運びください。

動画や写真を使いながら子どもたちが概念的思考をしている姿をお見せいたします。





◆まとめ


これまでの教育では、<<トピック>>について学んできました。

それは昆虫であれば昆虫、図形であれば図形といった学習です。

しかし、それでは断片的・表面的な知識しか身につきません。

そうではなくて、私たち開智望小学校では概念的思考について学んでいきます。


未知に遭遇した時に、既知を組み合わせて解決できるために、

<<より汎用性が高く応用できる「きっと役に立つはずのもの」>>

を子どもたちに集めてほしいのです。

そして、どうせ集めるのであれば、

より質の高い8つのコンセプツを身につけてほしいのです。


私たち大人もきっと日常的に


「これとこれは同じ構造ではないか?」

「この考え方を他でも応用できないか?」


と考えているはずです。


読書や気の置けない親友との会話、そしてメンターからの助言によって、

ますます概念的思考は発達していきますし、それこそ生涯にわたって概念的思考の習得は続くのではないでしょうか。


今回も最後までお読みいただきありがとうございます。