●開智望小学校が取り入れる予定の国際バカロレア初等教育プログラムPYPに対する5つの誤解



こんにちは、開智望小学校準備室広報担当の野口です。
いつも開智望ブログをご覧いただきありがとうございます。
このブログでは、毎回開智望小学校の教育について紹介しております。

「開智望小学校って10年間で12年分の勉強を詰め込むんでしょ!?」
「望小学校って全部授業が英語なんでしょ?」

こんな声が聞こえてきたのは2月13日のことです。

開智学園総合部の子どもたちの声からも分かるように、開智望小学校が取り入れる予定の国際バカロレア初等教育プログラムPYPについては、
こちらの発信不足もあり、多くの誤解を生んでいる可能性を感じたので
今回のブログでは、開智望小学校に対する5つの誤解について書いてみました。


【誤解1】開智望小学校で導入する国際バカロレア初等教育プログラム(PYP)は、エリート教育である。
【誤解2】国際バカロレアは国際的な大学入学資格である。
【誤解3】ゆとり教育・総合的な学習の「調べ学習」を行う。
【誤解4】国際バカロレアは難しい。探究なんてできない。
【誤解5】開智望小学校は問題解決力を高めるのですね。






【誤解1】開智望小学校で導入する国際バカロレア初等教育プログラム(PYP)は、
エリート教育である。

国際バカロレアの教育は、エリート教育ではありません。

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・よりよい世界、より平和な世界を実現するために、多文化への理解と尊重を通して、探究心、知識と思いやりのある若者を育てることをねらいとしている。
・これを実現するためにIBOは、学校、政府、国際機関などと協力しながら、国際理解の精神と厳格な評価の精神に則ったプログラムの開発に取り組む。
・これらのプログラムは、世界各国の子どもたちに自分と異なる他者もまた正しいことがあるということを理解する積極的で、思いやりのある生涯学習を継続する学習者であることを奨励する。

参照:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/095/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2013/08/19/1338545_02_1.pdf
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上記の星野先生の資料からも分かるように、あくまで21世紀という多様性が織り成す社会を生きる子どもたちに、探究心や本当に必要な知識、そして思いやりを醸成することを目的としています。
 そして、結果として、子どもたちが社会に貢献できる積極的で主体的かつ生涯にわたって学び続ける学習者になることを目標としています。
 こうした目的や目標は一部のエリートのためなのでしょうか。たしかに、日本のリーダーになるための人材育成も含まれると思います。しかし、探究心や知識、思いやりはもっと広くあらゆる人が身につけるべき要件なのだと我々は考えています。

【誤解2】国際バカロレアは国際的な大学入学資格である。

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早とちりの人は、アメリカの大学に応募する場合でも、IBを履修していれば、あたかも、他の標準試験(SAT、ACT)を受験しなくていい、かのように受け取ってしまっているのです。そりゃあ、違うよ、と説明しても聞く耳を持とうとしません。困ったものです。
"インターナショナルスクールの卒業生に、国際的に認められる大学入学資格を与え、大学進学へのルートを確保するとともに、学生の柔軟な知性の育成と,国際理解教育の促進に資することを目的として1968年に国際バカロレア機構が発足した””DPの課程を修了し、ディプロマ資格取得のための統一試験に合格することで、国際バカロレア資格を取得することができる”という文部科学省のホームページでの記述とそれを引用したマスコミ報道が、誤解、思い込みの原因です。

「国際的に認められる大学入学資格を与える」
「大学進学へのルートを確保する」

という記述が誤解を生む原因ではないでしょうか。
例え国際バカロレア資格を取得しても、アメリカの名門大学では実際にはSATないしはACTの受験は必須です。少なくともハーバードではSATあるいはACT受験は必須です。
参照:
http://ameblo.jp/meimonkoryugaku/entry-11715768722.html
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こちらのブログにあるように、国際バカロレアは大学入学資格ではありません。
では、何かといえば、教育プログラムつまり、一貫した教育カリキュラムです。

2月22日の説明会で詳しくはお伝えしますが、PYPという小学校段階、MYPという中学校段階、そしてDPという高校段階の一貫したプログラムなのです。

とはいうものの、実は一部の大学ではバカロレアのカリキュラムを受けると大学に入ることができるという事例もあります。
有名なところではオックスフォード大学、ケンブリッジ大学、キングス・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学)etcです。
詳細は、以下のサイトをご確認ください。

参照:
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/__icsFiles/afieldfile/2014/04/15/1326221_06_1_1.pdf


【誤解3】ゆとり教育・総合的な学習の「調べ学習」を行う。

説明会や塾でお目にかかる保護者の方からは、「望小学校の教育は、結局調べ学習ですか?」と聞かれます。

調べ学習では、テーマについて学習者が細分化して分担し、その結果をグループでまとめあげて知識を組み立てていく(知識構成型ジクソー法)やり方が一般的です。しかし、これでは教科の領域を越えるものではないため、教科の知識は得られても、これからの時代の主体として本当に必要な知識が身につきません。
 わたしたちは、教科の枠を越えた以下のテーマに関して教科の枠を越えて、探究することで、様々なスキルや態度、そして真の国際志向性を醸成しようと考えています。

<私達はどういう存在か>
 私たち自身の本性(本質)、思想・価値観、人間関係、権利と義務の探究
<私達を歴史的、地理的にみると>
 個人史、人類の発見、地域・地球規模の観点からみた個人と文明の関係の探究
<私達は自分の意志をどう表現するか>
 私たちが考えたこと・感じたことを表現する方法、私たちの美的感覚の表現・鑑賞の探究
<世界はどのように成り立っているか>
 自然の法則・自然と人間の関わり、化学技術が社会や自然環境に与える影響の探究
<私達は社会をどう組み立てているか>
 人間が作ったしくみと共同の相互関係、社会の構造や機能、政治・経済に関する探究
<私達は地球をどう共有しているか>
 有限資源の共有と問題解決、共同体内の関係と権利、平和と紛争解決の探究

さて、この話をすると決まってこんなご質問をいただきます。

「大変重要なことを探究することはわかりました。では、肝心の学力はきちんとつくのですか?」

探究をすると、「見えない学力」すなわち、自分で疑問を持ちグループで協働しながら試行錯誤し疑問を解決し新たな知識を獲得するという力が付きます。しかし、保護者の皆様は「見える学力」も重視されるのは間違いありません。
その見える学力については、きちんと少人数学級で訓練型の反復を行い、知識を定着化します。ただし、知識の定着化を目的として訓練型の反復”だけ”を行えばどうなるでしょうか。あたかも取り調べを受けるように、子どもたちは教師や保護者の正解ありきの疑問に反応するだけの大人になってしまうのではないでしょうか。
探究しながら、同時に訓練型の反復を行うことで、なぜ知識が必要なのか実感するようになり、見える学力と見えない学力が相乗効果を発揮するとわたしたちは考えています。


【誤解4】国際バカロレアは難しい。探究なんてできない。

 さて、こう書くと開智望小学校の教育はやっぱり難しいのではないか、という声が聞こえてきそうです。

しかし、東京コミュニティスクールの久保先生がおっしゃっていますが、
子どもたちは元来<探究心を持っている>のです。

「なぜ空は青いのか?」
「なぜ冬は寒いのか?」

大人は「まいっか」と片付けてしまうこうした素朴な疑問が子どもたちにとっては、重要なのです。

最近では、
『こころのふしぎ なぜ?どうして? (楽しく学べるシリーズ) 』という本が書店に並ぶように、
疑問こそ大切であると、世の中も認知し始めているのではないでしょうか。


【誤解5】開智望小学校は問題解決力を高めるのですね。

「わかりました。では、結局バカロレアのカリキュラムの中で探究と訓練型の反復を一緒に行い、社会の問題解決力を高めるのですね」という声が再び聞こえてきました。

たしかに、問題解決力は重要です。問題を定義し、原因をあらゆる視点から分析し、解決策を考え、きちんとした判断基準から解決策を絞り、実行する。

でも、もっと大切なことは自分で問題を設定する力ではないでしょうか。

自分が本当にやるべきことは何なのか。
自分が好きなことは何なのか。
今の世界に対して自分がすべきことは何なのか。
6つの探究テーマを仲間とともに深く広く探究しながら、脳みそに汗をかく教科型の授業と、地味で地道な訓練型学習を重ねた子どもたちは、きっと自分で問題を設定できる大人になってくれるのではないでしょうか。

大人になれば、誰かが問題を与えてくれるわけではありません。そこには偏差値も教科書もありません。

それまで学んできた知識や経験、スキルを駆使して、未知の状況を切り開いていかなくてはなりません。そこでは自分で解くべき問題を設定できることが大切なのではないでしょうか。


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朝永振一郎

ふしぎだと思う効果
これが科学の芽です

よく観察してたしかめ
そして考えること
これが科学の茎です

そうして最後になぞがとける
これが科学の花です

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最後までお読みいただきありがとうございます。

文章だけでは、伝えられない点も多数ありますので、
今日のブログをきっかけに少しでも開智望小学校にご興味を持たれた方は
是非2月22日の説明会に足をお運びください。

また、2月22日は予定があって、という方も今後開校後も継続的に説明会を実施しますので、お時間のある際に学校に足を運んでいただければ幸いです。