読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

◆開智望発表会について

開智望小学校の五木田です。

今回のブログは、開智望発表会について紹介したいと思います。

 

望発表会とは

 

 2月13日に望発表会を行います。望発表会の目的は「自分達の一年間を振り返り、どう成長してきたか、どのように成長すべきかを考え理解すること」「成長とは何かを定義できるようになること」です。そのために子ども達は劇を行います。

 望発表会は通常の学芸会のように教員が選定した台本を読み、役割を演じることが目的ではありません。子ども達が自分達の一年をより深く振り返り、自分達の“一年間の主題”を見つけ、その考えを劇に応用し、台本を作ります。また、その主題を表現するためにどのような演技をすればいいのか。動き、言葉、目線、さまざまな観点が存在します。劇を通して振り返りをする際に必要不可欠な自分を主体として捉えるだけでなく、客観的に捉える“メタ認知能力”が身につきます。

また、望小学校のイベントは子どもが主体的に行う探究のunitの一部として捉えられています。探究のunitは「子ども達に“今”必要なこと」を行うことを前提としてプランニングしています。

 

どのように行うか今回の探究の大きな流れとして「主題という概念の発見→自分達の成長を振り返る→成長の定義→主題の抽出→表現→振り返り」という流れになります。

 

①主題という概念の発見

子ども達はまだ、主題という概念を知りません(もちろん経験的に感覚として知っている子どももいるでしょうが)。なので、さまざまな物語や芸術作品をみて何のためにこの物語を創ったのか考えていきます。また、同一作者の作品を比較することで共通点を見つけ作者が持ち続けている主題を明らかします。子ども達にとってただ楽しい世界であった物語の世界が次第に子ども達の中には物語ではなにかを表現することができる場所だということに気がつくでしょう(perspective・見方が変わる)。

 

②自分達の成長を振り返る

次に自分達の成長を振り返ります。4月から今までに行ったことを振り返るとさまざまな変化(change)を見つけることができます。この振り返りで大切なことは「個人の成長」ではなく「集団としての成長」を発見することです。「集団としての成長」を発見することは自分の帰属意識を高めることにつながります。帰属意識が高まることで、自分ひとりの世界では獲得しにくい大きなビジョンを獲得することができると考えています。開智望小学校の理念と合わせ、「国際社会に貢献できる心豊かな創造力・発信力をもつ」人になるというビジョンを感じてほしいです。

 

③成長の定義

成長とはなんでしょうか。成長と考えるとどうしても個人のスキルに目がいきがちですが、まず最初に大切なことはコミュニティとしての成長です。会社やさまざまなコミュニティでも「チームとして成長する」という言葉があるとおり、独りよがりな成長は大きな意味を持ちません。ノーベル賞を受賞した大村先生のような「国際社会に貢献できる心豊かな創造力・発信力をもつ人材」とはリーダーシップ・フォローワーシップに優れ、あくまでも人のためになることをするために成長していきます。

 

 また、一年生ではunit3“物事を通して社会を知る”、二年生ではunit3「人々の想いや気持ちは文化を通して表現される」という活動を通して「さまざまなものは繋がっており、人は一人では生きていない」ということを学んだ子ども達にとって実感のある考え方だと思います。子ども達はただ自分達の成長を振り返るだけではなく、自分達を取り巻く様々なものを踏まえて自分達の成長をデザインしていきます(Reflection・振り返り)。

 

④主題の抽出

そうやって自分達の一年間を振り返ると一年間に共通した主題が浮かび上がってきます。その主題を劇に応用するのです。物語には「主題」、そして主題に紐づいた「設定」「筋立て」「解決策」の三要素があるとされています。たとえばレオレオニの有名な絵本、スイミーには「希望」という主題(これはもちろん公式にアナウンスされている言い方ではありませんが、そう解釈して読んでいます。)があるからこそ広くて綺麗な海の底という「設定」(また、対比するようにスイミーが絶望したときには暗い海の底になる)があり、スイミーの仲間が食べられて一人になってしまう孤独から海の底の綺麗なものを見て立ち直り、新しい仲間と出会うという「筋立て」、そしてみんなで協力して大きな魚(問題)を追い出す「解決策」があります。

自分達の一年を通してみると一年間はどのような主題に貫かれたものだったのでしょう。子ども達はその主題を探す探究をしていきます。

 

⑤表現

主題がきまったらその表現です。ただ劇をやることだけではなく、子ども達が自分達の一年を表現するので、演技だけでなく、どんな「設定」にすればいいのか、どんな「筋立て」にすればいいのか、そしてどんな「解決策」を提示すればいいのかを考えていきます。このような活動を通して自分達を客観視するメタ認知の能力が身につきます。

 

⑥振り返り

最後の振り返りは今後、自分達がどのように成長していきたいか、どのように成長するべきなのかという子ども自身の「あるべき姿」を描くことが目的です。自分達を表現した劇を通して自分達を客観的に見てあるべき姿を考えてほしいです。

 

保護者の皆さまに見てもらいたいこと

以上のように望発表会の目的はあくまでも「上手に劇をすること」でなく「自分達を多角的な視点で振り返ること」「自分達のあるべき姿を描くこと」です。すべてを一から作り上げる子ども達には失敗も待っていることでしょう。もしかしたら本番でもうまくいかないこともあるかもしれません。その際に保護者の皆様には子ども達が自分達の主題を考え、表現しようとしていることごりかいいただいき、温かく見守っていただきたいです。