●年末年始は『カラマーゾフの兄弟』 を読みなさい~何のために読書するのか?(図書通信冬休み特別号その2)

こんにちは、開智望小学校広報担当の野口です。
いつも開智望ブログをご覧いただきありがとうございます。
このブログでは、毎回開智望小学校の教育について紹介しております。

 ●2学期が終わりました。

開校から早9ヶ月、無事2学期を終えることができました。

多くの保護者の皆様や関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

そして子どもたちは、冬休みに入りました。

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この写真にあらわれているように、ぜひ家でも読書に励んでほしいと思います。

 

●年末年始は『カラマーゾフの兄弟』 を読みなさい

 

これは私が大学生の時に、教育哲学の教授から言われた一言です。

その時は、<カラマーゾフの兄弟』???>

という状態でしたが、何度かカラマーゾフの兄弟』を読み返しています。

 

最近はフジテレビがドラマ化したことでも知られるカラマーゾフの兄弟』ですが、

この冬休みにもう一度読んでみようと思います。

 

 

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

 

 

 

 

 

●考える力をつける連合王国の教育

 

以下、この本からの引用です。

 

ロンドン在住の友人から聞いた話ですが、あるとき、十二歳の娘さんが宿題の相談に乗ってほしいと持ちかけてきたそうです。(中略)

 

中世に、サセックス地方の裕福な農家へ嫁いだ女性が書いた日記があった。その農村を仕切っていた地主の執事が書いた記録もあった。それから、十九世紀にその時代の農村を調べたオックスフォード大学の教授が書いた「サセックス地方の中世の農家の形態」という論文もあった。この三つを読むにあたって、どういう点に注意すればよいか、というのが宿題の内容だったそうです。

 

友人はあまりの難しさに内心引っくり返ってしまい、苦し紛れに娘さんに

「おまえはどう考えているんだ?」と聞いてみたそうです。すると娘さんは、「嫁いだ娘さんが書いたことには嘘がないと思う。村で起こったことがありのままに書かれているだろう。でも、自動車も車もない時代だから、自分の目で見える狭い範囲のことにとどまっていると思う。地主の執事が書いた記録は、おそらくより多くの年貢を取りたいという気持ちが働いているだろうから、作物の収穫量などを加減して書いている可能性がある。それを含んで読まねばならないと思う。それからオックスフォード大学の教授の論文は客観的なように見えても、どこかで自分の学説に都合のいいように脚色されている恐れがある。だから頭から信じないようにしたほうがいいと思う。

 

 

私は、たまたまAmazon Kindleで安くなっていたライフネット生命のCEO出口さんの新書を読んでいて探究の授業に役立ちそうな箇所を発見しました。

 

特段探究の授業のネタを探していたわけではありません。

 

しかし、

現場目線(主観的)

管理者目線(恣意的)

学者目線(客観的)

 

という3つのPerspectiveから何かを考える方法を発見することができました。

 

ここから、

「そういえば、日露戦争日本海海戦で日本軍が勝利したのも、実は、バルチック艦隊が寄港できる港がなくて到着した時にはそもそも戦える状態でなかったから、日本が勝ったんだった。日本軍、バルチック艦隊(ロシア)、イギリスの3つの立場に分かれて色々議論したら探究の面白い授業になりそうだ」

参照:

日本海海戦 - バルチック艦隊の敗因 - Weblio辞書

 

「そういえば、日本は鉄砲が伝来した時に、高額だった鉄砲を2丁購入して、1丁は分解し、翌年にポルトガル人が来た時には、すでに日本で鉄砲を作っていた。だから、当時日本が植民地にならなくてすんだ。これを授業で使えないかな?」

 

「ほかにも、娘は小学1年生、地主は母親、教授は教頭というふうに、これはもしかすると学校で起きていることに当てはまるのではないか。だとすると、やはり子どもの言うことは一部本当でも少し視野狭窄になっている可能性がある。そして、母親は子どもが可愛いあまり、自分の子どもの言ったことを加減して判断している可能性がある。さらに、教頭は日ごろの担任の様子や子どもの様子から、客観的に見ているようで、見落としている事象があったり、自分の教育メソッドを絶対化しすぎている可能性がある。」

 

こうして思考が展開していくのです。良いインプットをすると、頭が活性化してとても良い気分になりますね。

 

●子どもたちにおすすめする本

 

ずいぶん前置きが長くなってしまいましたが、小学校1年生、もしくは年長さんにも読めそうなおすすめの本をいくつかご紹介いたします。

 

 

 

この本は私のクラスの子たちがお互いに貸し借りしあって夢中で読んでいました。

可愛らしいイラストと、子どもたちにとっての日頃の<あるあるネタ>が満載で大人気です。

 

 

 

こちらもシリーズ本でおすすめですね。

 

 

ふしぎな たね (美しい数学)

ふしぎな たね (美しい数学)

 

 

 

この本は、私のクラスの保護者が子ども向けに読み聞かせをしてくださった思い出の一冊です。

 

数の勉強はもちろん、潜在的には投資の勉強にもなる奥深い本だと思います。

ぜひ親子でお楽しみください。

 

 

これはのみのぴこ

これはのみのぴこ

 

 

こちらも同じく保護者に読み聞かせをしていただいた本です。

読み聞かせをしてくださったお父様は、全ての文章を暗記し、子どもたちから歓声があがっていました。

 

●保護者の皆様におすすめする本

 

私のような未熟者がおすすめするのも気が引けますが、

今年読んだ中から良かった本を列挙いたします。

気になったものがあれば、ぜひ今度お目にかかった時にお話したいです。

 

心に刺さった言葉ベスト10と一緒にご紹介いたします。

 

第10位 

「学校で学ぶもっとも重要なことは、『もっとも重要なことは学校では学べない』という真理である。」

 

第9位

「走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由なら大型トラックいっぱいぶんはあるからだ。僕らにできるのは、その『ほんの少しの理由』をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ」

 

 

第10位、9位の参照元 

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

 

 

 

第8位 

「先生はよその人だ。こどもがすきだから先生をやっているのか

お金をもうけるためにしかたなくやっているのか

わたしはそれがいちばんしりたい」

 

 

子どもに教わったこと (角川文庫)

子どもに教わったこと (角川文庫)

 

 

第7位

「選んだ選択肢を正しくするのが経営者」

 

 

不格好経営―チームDeNAの挑戦
 

 

 

第6位

「コミュニケーションの目的はコミュニケーションである」

 

 

 

 

第5位

「手作業だと、考えるヒントが生まれる」

 

下町ロケット (小学館文庫)

下町ロケット (小学館文庫)

 

 

 

第4位

「職業の道楽化」

 

 

人生計画の立て方

人生計画の立て方

 

 

第3位

 

「大切なのは、おもしろくなくても堅固な実証研究に裏付けされた『定型化された事実法則』」

 

 

世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア

世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア

 

 

第2位

「世の中において、数学の一番大事な役割のひとつが『予測』です。」

 

 

 

第1位は、年明けにご紹介いたします!

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

ぜひ、1月16日(土)の学校説明会では個別面談で

面白い本のお話をさせていただきたいですね。

 

→説明会の予約はこちらから。

説明会予約フォーム - 開智望小学校

 

追伸:

最後に、

何のために読書するのか?という冒頭の問いに対する私の回答は、

「子どもに心から素直に『先生もわからないから一緒に考えよう』」

といえるため、だと思います。

 

読書をすればするほど、自分の無知さがわかるので。