【コーディネーター便り】2/14(日)開智望発表会について

みなさん。驚きました!  子どもたちの、たいへん自由な、たいへん楽しそうな様子に。

ユニット5「Who we are」の探究の一環として取り組んだ開智望発表会。

 

主題とセントラル・アイデア

 

一年生の「セントラル・アイデア」は「私たちは成長し続ける存在である」、二年生のセントラル・アイデアは「私たちは積極的に互いにかかわることで、自己を形成する」でした。

ちなみに、「セントラル・アイデア」とは、その探究を通して、子どもたちが自ら作り出し、獲得する「大事な知識」です。「大事な知識」というのは、彼らが(私たちも)人生を生きていくうえで忘れてはならない、常に指針となる「思想」であり「価値観」です。そして、これまで人間がそれを追究し、考え抜いてきた「思想」でもあります。

こういう「セントラル・アイデア」を、大人が子どもたちに「教える」のではなく、子どもたちが、書物や戯曲、あるいは、算数・自然や社会や地理・歴史についての探究を行い、自分たちで「演劇」という作品を創り上げる中で、一段も二段も練り上げ、普遍化し、事実と実践経験の重みに支えられた観念として組み立て、そして、自分たちのものにするからこそ、こういう観念はリアリティーのある魂のこもった観念となるのでしょうね。

 

準備・・・探究の過程

 

クラスによって違いはありますものの、子どもたちがどうやってそれぞれの「演劇」を作り上げてきたかは、劇と共にプレゼンテーションした「記録」をご覧になって、お分かりになったと存じます。

 子どもたちは、10のラーンナー・プロファイルを念頭に置き、自分たちがどう成長したかを振り返りました。それが「ケアリング」であり、「協力」であり、「挑戦」であり、「問題解決力」であり、「発見」であり、「新しく深い認識」などなどであったんです。

 子どもたちは、それぞれのクラスで、これらを自分たちの劇の主題にすることを決めました。この段階までに、子どもたち同士の議論がたくさんありました。主題が決まると、FormやFunctionやConnectionなどのConceptsを通して、「劇ってどういうものなのだろう」、「どうやったら劇にできるのか」、「どうしたらそれをあきらかにすることができるのだろうか」等についての探究が始まりました。

 冬休みも含めて、子どもたちはたくさんのものがたりや戯曲を読み、劇のプロット(筋立て)や場面やクライマックス、台詞、配役、衣装等についての理解を深めました。そして、自分たちの「主題」にふさわしいプロットを考え、配役を考え、衣装を創り、場面を創り、台詞を考えました。主題が凝縮されている台詞を考え出し、そこから、台詞を組み立てなおしたり、場面を組みなおしたり・・・・。クライマックスを考えたんです。そして、そこにむけてどう盛り上げていくかを幼いながら健気に考えたんです。(ここまで考えられるんだから「幼い」なんて言ったら、アキマセンネ。)

 

 演技の練習に入ると、仲間同士でReflectionです。「そこで、もっと前へ出たほうがいいよ」、「もっと手を大きく振ったほうがいいよ」、さまざまな「振り付け」の言葉が飛び交いました。そうです。「振り付け」も子どもたちがみんなでやったんです。Form、Function、Perspective。ようやく使い慣れてきたConceptsをうまく使いました。「あと3分残っているよ、5秒ずつ台詞をゆっくりしゃべってもいいよ」「あと1メートル前へ出たほうがいいよ」等々、算数で学んだ知識もどんどん活用しました。CaringやCommunicatorというラーンナー・プロファイルから、歌の振り付けでは、手話も取り入れました。子どもたちの創意に尽きるところはありません。

 

当日は・・・・

 

子どもたちは、自分たちの演劇を全部自分たちで創ったんです。ですから、全体像も細部もクラス全員でシェアし熟知していました。それがあの余裕に繋がったんです。あの明るさ、楽しそうな様子、時には、舞台の上で仲間に対するちょっとしたアドバイス、そして、アドリブまで登場。当日のことは、これ以上報告することはありません。

 

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ただ、今日、2月16日の子どもたちは、ちょっと変わりました。自信がありそうに見えます。互いのCaringも自然です。Communicationも以前よりうまくいっています。何よりも、メリハリがついて落ち着きが出てきました。いっそうOpen-mindedになってきました。行動や態度の変換が起こりつつあります。・・・まさしく「私たちは成長し続ける存在である」であり、「私たちは積極的に互いにかかわることで、自己を形成する」です。

 青木理事長・校長が、某所で「学びを通して、人格は形成される」とおっしゃっておりました。「人としてあるべき姿は、・・・である」と教師が教えるのでもなく、諭すのでもありません。子どもたちは、やりがいがあり、自分たちにとって関連のあるテーマの探究を通して、自分を人間として形成していきます。そのことがたいへんはっきりと表れたユニット5の探究と開智望発表会でした。

 しかも・・・、驚くべきことは、これだけのことをやってのけた子どもたちは、教科の学習を少しもおろそかにしなかったことです。いや、むしろ、かえって深めていたと言ってもいいでしょう。たいしたもんですね。まさに、相乗効果です。

 

これから・・・振り返り

ユニット5のPlanner(指導案)の「What do we want to learn?」(目標)は、次のようにしました。

 

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二年生

この探究で強調するキーコンセプトは何か? ● Connection, perspective ,reflection

関連コンセプトは?●差異性、相互理解、対話

〈ラーンナー・プロファイル〉 心を開く人、バランスのとれた人、振り返りができる人

〈スキル〉 評価、協力、話す、行動規範、調査結果を発表する

〈態度〉 協力、共感、寛容

〈各教科との関係〉 ●国語:物語の主題の読み取り ●音楽:演劇 ●生活:表現

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一年生

この探究で強調するキーコンセプトは何か? ● Reflection Responsibility

関連コンセプトは? 自己 他者 成長

〈ラーンナー・プロファイル〉 balanced (自分の成長を振り返った時に、調和のとれた成長が出来ているかを考える)  communicator  openminded(自分の状況を客観的にみたうえで自分の気持ちや状況を相手に開示し話し合うことが出来る)

〈スキル〉 データの解釈・分析・理解、応用・細かい運動のスキル・非言語コミュニケーション・集団での多様な役割への適応

〈態度 〉協力、創造性、共感、感謝、

〈各教科との関係〉  ●算数:時間感覚  ●社会:いろいろな国の文化 ●国語:表現・発表

  • 体育:自分の体の変化・運動技術の習得

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子どもたちは、今、この目標について、自分たちがどうだったのかを「Good and better」で振り返り、さらにすばらしい人間性を形成しようと考えています。

来年度は、みんな一学年上がり、一年生が入ってきます。演劇は異学年で行う行事となります。又、新しい経験をしなくてはなりません。彼らのことです。きっとまた、楽しくやるでしょうね。