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●選ばれなかった言葉を考えながら読書をしていますか~知的複眼読書法

こんにちは、開智望小学校広報担当の野口です。
いつも開智望ブログをご覧いただきありがとうございます。
このブログでは、毎回開智望小学校の教育について紹介しております。

 

 

・2年生の国語の授業より

 

 2年生の国語の授業では『お手紙』を取り上げています。

がまくんとかえるくんの「お手紙」をめぐる心温まるお話です。がまくんとかえるくんの特徴(Form)を捉えてから、心情の変化(Change)で読み解いていきます。

 

最初はがまくんとかえるくんとかたつむりくんの写真を写しながら、こう問いかけました。

「何でお手紙を運ぶのがかたつむりくんなんだろう?」

この問いかけによって、かたつむりの特徴(Form)や役割(Function)が見えてきます。

「みんな、別にかたつむりくんが、さるくんでも、いぬくんでもよくない?」

 

→「たしかにそうだね。なんでだろう?」

 

子どもたちは、教員からの問いかけに対して、問題意識を持って本文と対峙することができます。

 

ただ読むのではなく、考えながら読む。どうすれば、考えながら教科書を読むことができるのでしょうか。大人になってからも、どうやって読書すればよいのでしょうか。

 

最近、この本を読み返しました。

 

 

知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)

知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)

 

 

大学生の時以来何度も読み返していますが、本当に名著です。

1000円以内で大学半年分の講座に匹敵する学びがあります。

 

読むこと、書くこと、そして概念的に考えることに関して、分かりやすい言葉でまとめられています。

 

・考えながら読む時のキーワードは、相対化→対話→つっこみ

 

もちろん、名文を暗唱することも効果の高い読書でしょう。英語の音読のように名文の型を頭にインストールすることは子どもたちにとって有益です。

 

ただ、名文を絶対化するやり方では物事を考える力が育ちません。

 

「相対化」

一つの物事を絶対化しないで、他の可能性を探るやりかたです。

 

・なぜかたつむり何だろう?ほかの生き物でも良くないかな?

・どうして、お手紙は早く届かないんだろう?この場面いるかな?

 

小学校2年生からだって、相対化しながら読むことは可能です。

 

そして、選ばれなかった言葉、選ばれなかった登場人物、選ばれなかった場面を考えるのです。

 

「はじめまして」

 この1秒ほどの言葉に、一生のときめきを感じることがある。

「ありがとう」

 この1秒ほどの言葉に、人のやさしさを知ることがある。

「がんばって」

 この1秒ほどの言葉に、勇氣がよみがえってくることがある。

「おめでとう」

 この1秒ほどの言葉に、幸せにあふれることがある。

「ごめんなさい」

 この1秒ほどの言葉に、人の弱さを見ることがある。

「さようなら」

 この1秒ほどの言葉が、一生の別れになるときがある。

1秒に喜び、1秒に泣く。一所懸命、1秒。

 

二度だけ放送された幻のCM、SEIKO「一秒の言葉」の詩が心に響く - Spotlight (スポットライト)

 

先日、探究の時間に保護者の一人である社長さんが子どもたちのインタビューに応えてくださいました。その授業の最後に社長さんが紹介してくださったのが、この詩。

 

とても印象的で特に、

「はじめまして」

 この1秒ほどの言葉に、一生のときめきを感じることがある。

 

このフレーズに思わずきゅんとしました。

一生のときめきを感じることがある。

→一瞬と一生が対になっており、資生堂のコンセプトを思い出しましたが、一生のときめきというのがポイントですね。

 

この1秒ほどの言葉に、苦痛の日々のゴングが鳴ったことを感じる。

こんな言い方だってできなくはないですね。(だいぶへたくそですみません。)

 

いずれにせよ、選ばれた言葉には理由があり、選ばれなかった言葉があるということですね。

 

論文や記事のよしあしを決めるものも、選ばれなかった言葉の数ではないでしょうか。就職活動の時にお世話になった先輩の言葉を思い出しました。

 

「君のエントリーシートは何回書き直した?選ばれなかった言葉の数で文章の質が決まるんだよ。」

 

「対話」

そして、こうして問題意識を持って読書をすると著者との対話が始まります。

 

・「なるほど」

・「ここは鋭い」

・「納得がいかない」

・「どこか無理があるな」

・「その意見に賛成だ」

・「その意見に反対。自分の考えとは違うな」

・「同じような例を知っている」

・「見逃されている事実や例がないか」

・「自分ならこういうことばをつかって表現するな」

 

『知的複眼思考法』より

 

対話をしながら読みすすめ、時には本を閉じてノートを広げます。

図解化してみたり、付箋に書いてみたり。

 

こうして読み進めるとだんだんと考える力がついていきますね。

 

「つっこみ」

対話をしながら読むということは、つまりは、文章に「つっこむ」ということです。

 

「ほんとに?」「うそでしょ?」「いやいや、こういう場合だってあるじゃん?!」

 

こんな風に読書をすると、いいのではないでしょうか。

 

今回のブログは以上です。

 

きっと読むだけではなく、書くときも、話すときも、選ばれなかった言葉の多さがコミュニケーションの質を高める秘訣ではないでしょうか。