PYPの5elementsの実装と裏側にある人間観

2学期が終わろうとしています。2年生の子どもたちは約2か月間続けてきた「Sharing The Planet」の総まとめに入ろうとしています。

 

f:id:kaichinozomi:20161211105902j:plain

 

PYPすなわち国際バカロレア初等教育プログラムは全人教育であり、

1.教科の枠を越えた知識(普遍的で他の分野にも応用可能なもの)

2.概念的な理解(深く広い認識および洞察)

3.Skills(生涯にわたって自分を支え社会に貢献できる能力)

4.態度(姿勢、人間としての大切な構え)

5.行動(単なる知識の獲得に終わらずに行動によって社会をよりよくする)

 

この5つの要素(elements)を満たして探究を進めていきます。

 

f:id:kaichinozomi:20161211110218j:plain

 

今回の探究(2年生2学期Unit4,11-12月)では、以下にフォーカスを当てました。

 

1.教科の枠を越えた知識:自然には恩恵と脅威がある。

2.概念的な理解:Responsibility

3.Skills:research

4.態度:感謝

5.行動:自立的な行動、具体的経験

 

・子どもたちのプレゼン資料

 

f:id:kaichinozomi:20161211110454j:plain

f:id:kaichinozomi:20161211110510j:plain

f:id:kaichinozomi:20161211110547j:plain

 

1年生の頃からこのフォーマットを使って子どもたちは10回近くプレゼンテーションを行なってきました。最初は先行知識を書けずに、先行知識から疑問出しへのつながりが不十分でした。

 

f:id:kaichinozomi:20161211110635j:plain

f:id:kaichinozomi:20161211110715j:plain

 

この班の子たちはきちんと先行知識から疑問を出すことができています。疑問に対する仮説も自分たちの言葉で書かれており、仮説の理由(論証)まで考えられています。

 

また、とても成長を感じるのは、定量的に2年生の算数で習った20Lなどの知識が駆使されている点です。バラバラの知識をつないで教科の枠を越えた探究を行うためには、こうした他の所で学んだ知識を活かすことが決定的に重要ではないでしょうか。

 

f:id:kaichinozomi:20161211110827j:plain

f:id:kaichinozomi:20161211110845j:plain

 

わかったことに対しても実際にお家でやってみて実感を持ってわかったことを書いています。動画を撮影し私に提出してきましたので、すごく感心しました。

 

f:id:kaichinozomi:20161211110903j:plain

 

家の中での水をよく使う部分別にどうすれば節水できるのか分かりやすくまとめられています。

 

f:id:kaichinozomi:20161211110925j:plain

 

探究は1回で終わりではありません。もともと知っていたことが更新され、さらに知りたいことが出てくる。それを次は明らかにしていく。この連続したプロセスが探究ですね。

 

f:id:kaichinozomi:20161211110940j:plain

 

終わりにでは結論を端的に表せています。

こうしてみていくと教員が教えたのではないか、とご指摘をいただきそうですが、

全て子どもたちが自分たちで用意した資料です。2年生でもここまでできることが分かったので、3年生以降では知識の厳格さを追究し、社会全体をよくするようなアクションを考えられるように子どもたちを支えていきたいです。

 

・PYPの裏側にある人間観

 

さて、今回はとある探究のプレゼンテーション資料から子どもたちの探究の様子をお伝えしました。

今までの教育とPYPの教育の違いは、その人間観にあります。

 

今までの教育は、子どもたちの頭の中を白紙ととらえていました。

しかし、PYPの教育では、子どもたちはすでに何かを知っていて、何かリソースを持っていると考えています。

 

すでに知っていることを洗い出し、そこから疑問を出す。その疑問を解決することによって、「分かる喜び」を知る。ここにPYPの教育の価値があるのではないでしょうか。

 

 

勉強の仕方―頭がよくなる秘密 (ノン・ポシェット)

勉強の仕方―頭がよくなる秘密 (ノン・ポシェット)

 

 

 この本には、以下のように書かれています。

 

今の日本の学校教育は、まず先に100点というものがあって、いかにそこにたどり着かせるか、100点を取るためにどう頑張らせるか、つまり悪いところを直していくという発想です。そうではなくて、すでに100点を取る才能、能力がある、備わっているんだけれども、それが発揮できていないだけだという考え方、そういう教え方だったんです。

 

最近学校で将棋が流行っているので、色々な棋士の方の本を読み漁っていますが、

上記の一節がとても心に残りました。

 

今回のブログは以上です。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。