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中学入試の問題を望小の3年生の授業で扱うと…

算数科を担当しております、峰岸です。 

 

先日のDaily Blogでも取り上げましたが、

望小で普段から意識している「探究的な学び」が、

小学校3年生でも中学入試相当の問題に対応できることを

こちらで紹介したいと思います。

また、小中高一貫教育として縦の学年のつながりを

意識した学びであることも、ご覧いただきたいと思います。

 

改めて、今回取り扱う問題は、以下の問題です。

  何人かの子どもに1人16枚ずつカードを配ったところ

  8枚足りませんでした。10人の子どもが加わったので、

  今度は1人12枚ずつ配ったところ24枚余りました。

  カードは全部で何枚ありますか。(出題:明治大付明治中)

 

様々な角度からこの問題を解くことができます。

中学入試の問題という特徴からいえば、

入試問題を解くためのテクニックとして学ぶ、

○○算の1つとして、「過不足算」ととらえることができます。

そうすると、配る人数と配る数が変わったことが、

前半と後半の配り方の「差」となった点に注目するわけです。

 

中学入試では、こうした思考系の問題を、

線分図・面積図などの図で問題の状況を表し、

計算をすることにより、類似の応用問題でも

対応ができるようになる・・・

こうして解ける問題のレベル差が生じます。

 

こうした学びをしていない望小の3年生は、どのように解くか?

普段の学びは「探究型」「習得型」「反復型」を通じて

理解を深めている子どもたち。

自分の経験のない問題への対処は、探究型の学びで、

「仮説を立てて検証する」というやりかたが一番ではないでしょうか。

 

つまり、適当に人数を決めてしまうわけです。

よくわかりませんから、30人くらいにしてみましょう。

(実際、本当に適当に何人と決めてよい)

 

そうすると、

 前半の配り方:16×30-8=472

 後半の配り方:12×40+24=504

この結果、個数のズレは、504-472=32個となります。

ズレてしまったので、人数が違う。

では、この検証結果をふまえて、1人人数を増やしてみよう!

こんな風にまた仮説を立てて、検証するわけです。

 

 前半の配り方:16×31-8=488

 後半の配り方:12×41+24=516

今度は、個数のズレは、516-488=28個となり、少し減りました。

お!なら、もう一人増やしてみる…

 

 前半の配り方:16×32-8=504

 後半の配り方:12×42+24=528

個数のズレは、528-504=24個となり、さらに減りました。

 

この減り方に注目すれば…

 30人 → 32個ズレ

 31人 → 28個ズレ

 32人 → 24個ズレ

…これは、規則的にズレの個数が4個ずつ減っている!

ならば、この個数のズレが0個になるのは、24÷4=6、

つまりあと6人増えればよく、32+6=38人とわかるわけです。

こうして、人数が決まれば、結果の確認として、

 前半の配り方:16×38-8=600

 後半の配り方:12×48+24=600

どちらで配っても同じ600個となり、これが答えというわけです。

 

大人の皆さんは、このような発想ではなく、

中学の数学を使えば、子どもの人数を文字でおいて、

 f:id:kaichinozomi:20170208171343j:plain

と、解きますよね。

この式、先ほどの仮説検証型の解答と見比べれば、まさに

「個数のズレがなくなる。すなわち『前半の配り方=後半の配り方』」

という式を立てて、得られた方程式を文字について解いている。

こういう仕掛けになっているのですね。

 

子どもたちには、自分たちが今できる解法で解いてもらいました。

そして、その先に、中学校で習う方程式があるということにも触れました。

 

中高一貫教育であれば、何も中学入試のために

外部の塾などで学ぶ「○○算」を機械的に覚えなくても、

十分探究的に問題を解くことができ、

なおかつその先にある数学の領域まで意識できるのです。

 

勿論、普段から探究でも用いている「Perspective」を意識し、

図を使って解答できるような、多面的な思考も養います。

そのような解き方をマスターすることも、算数の面白さ。

 

そして、こうした入試問題のような文章題は、

問題文から「わかる条件」を整理したり、

「自分が解法に使える道具」を考えたりしながら、

論理的思考、数学の領域で言えば「論証」

につながるような力を身につけていきます。

 

子どもたちは、チャレンジし、達成感を味わい、

視野を広げ、まさに自分の理解を構築していくのです。

 

いかがでしょうか、一貫校ならではの、縦の学年を意識した学び。

望小の子どもたちは、中学入試を経験するわけではありませんが、

中学入試には思考力を鍛える面白い問題がたくさんあります。

こうしたものも扱いながら、子どもたちは楽しく、

そしてしっかりとした算数・数学力を身につけていきます。

 

今後も、こうした学びを紹介しながら、

望小での算数の取り組みのイメージを

つかんでいただきたいと思います。

 

どうぞ、お楽しみに!